介護・福祉事業所に対する指導(気を付けましょう)

先日のブログにおいてもご紹介しましたが,令和7年度から職場環境等要件が加重され,思った以上に厳しくなります。
令和6年度においては複雑化していた処遇改善加算制度を一本化し行政側の負担が軽減されたので,令和7年度からは運営指導が増えてくることでしょう。

処遇改善加算のレベルはⅠ(高)~Ⅳ(低)まであり,そのレベルに応じた「月額賃金改善要件」「キャリアパス要件」「職場環境等要件」が求められます。
令和7年度からは「職場環境等要件」が加重され,特に処遇改善加算レベルⅠ及びⅡについてはおよそ2倍ほど要件が加重されます。またこれに加え,情報公開システム(ホームページ)等で職場環境等要件の各項目ごとの具体的な取組内容を公表せねばなりません。

そして,実はこの「情報公開システム等による具体的な取組内容の公表」が落とし穴だと思われます。

といいますのは,介護保険課は,まずは「情報公開システム等による具体的な取組内容の公表」をしていない事業所を的に絞って実地指導をするのではないかと思うのです。なぜなら,ランダムに運営指導に入るよりも,現実に取組内容を情報公開システム等に具体的な取組内容を公表していない事業所を見つけるほうが効率が良いし,実際に情報公開システム等で公開していない事業所に入れば運営指導上の成果を必ずあげられるからです。

なお,行政による指導方法には「集団指導(講習などにより一斉に行われる指導)」と「運営指導(実地で行われる指導)」の2つあり,うち事業所にとってやっかいな運営指導については,指定期間内または許可の有効期間内に1回以上は行うとされ,また居住系サービス,地域密着型サービス及び施設サービスに至っては3年に1回以上が望ましいとしています。

したがって,令和6年度から複雑だった処遇改善加算が一本化され,事務負担が軽くなった行政側としては実地指導に入りやすくなったので,実地指導に入るなら,現に「情報公開システム等による具体的な取組内容の公表」をしていない事業所を的を絞って行うほうが効率が高いし成果もあがりやすいと考えられるというわけです。

介護・福祉系事業所の皆様,ご準備は整っていますか?
実際にはキャリアパス要件等を満たしていないのに,処遇改善加算レベルⅠをとっている事業所が思った以上に多いと思いますので,最悪の場合,不正受給として扱われることになりかねません。